中国の労働事情

浜松商工会議所で中国労働法セミナーを受講してきました。

非常にためになったのですが、その中で印象に残ったものを書いてみます。

 

【中国人の気質】

「面子」と「実利」、この2つに尽きるようです。とにかく人前で人としての資質に関することで叱らないことは基本中の基本。あとお金について何のためらいもなくげすげす聞いてくるそうです。

嘘のような本当の話ですが、通常、中国の旧正月(2月)には出稼ぎ労働者は地元へ帰りますが、そのまま戻ってこない人もいるそうです。地元工場の待遇の方が良ければ、そのまま地元に勤めてしまうこともあるようです…

 

【労働法関係】

中国は無法地帯同然?で労働者は馬車馬のごとくこき使われているのかと思いきや、ここ4年くらいでかなり法整備さているようです。しかも内容はかなり労働者保護。労働者もネットカフェでお勉強しているとのこと。意外。

 

【労働契約】

中国では、労働契約は労働者と会社が一対一でするものという意識が強く、何か会社に不満があれば直接経営陣に不満を言うらしいです。

 

【有休】

取得が大原則。無理だったら会社が300%!の金額で買い取る仕組み(日本は退職時以外は買い取り違法)。また取得日数を算出するための勤務年数は、複数の会社の通算でみるようです(日本は転職したらリセットされる)。

中国にもちゃんと有休があるんだなと、変なところで感心しつつも…日本より労働者保護じゃないですか!?

 

【社会保険】

こちらも有休同様、中国にもちゃんと日本のような一通りの社会保険や失業保険、労災はあるそうです。ちょっと驚き。

 

【労働争議】

こちらも日本とよく似ていまして、調停→仲裁→裁判と進んでいくようです。但し弁護士費用がまだまだ高く、仲裁止まりの案件が多いそうです。

 

まるで日本の労基法を(得意の?)模倣しているような規定も多々ありますが、いずれにせよ中国の労働事情は確実に変わってきています。

今後、中国ビジネスにおいては専門性の高い人事労務管理が求められるでしょう。