個人情報・プライバシー研修

先日、個人情報とプライバシーに係る企業研修講師を務めた。

依頼があったのは、県内某介護施設。

 

今後はAIの発展により、ますます個人情報やプライバシー情報の価値が高まっていく。

その中で、シニア層の情報はますますターゲットにされていくわけで、そういった情報を最も扱うのが、医療介護現場の従事者に他ならない。

もちろん、業務上、要配慮個人情報を多く扱う立場でもある。

 

そのような意味で、こういった研修は意義が大きい。

ついやりがちだが、「個人情報とは~」なんて、いきなり本題・固い内容から入るのはご法度。ストレッチもせずに、いきなりエクササイズをやるようなもんだ。

まずは場を温め、お互いの緊張を解きほぐすこと(アイスブレイク)から入るのが鉄則だ。

 

今回は、情報漏洩の原因について社員の皆さんに考えて答えてもらった。 

漏洩原因は、紙媒体の紛失や誤送信、メール誤送信、ネットからが多い。「へぇ~」「そうなんだぁ」と結構反応がいい。

続いて実際の介護の現場における漏洩事例をいくつか紹介。

ヘルパーが利用者情報について赤裸々に個人のブログに書いて、150万円もの損害賠償を請求された事件を紹介。事業者も使用者責任で損害賠償を支払っている。

皆さん、食い入るように話に集中。つかみは上場だ。

 

更に漏洩した場合のリスクやダメージについて、考えて答えてもらった。

何事もそうだが、最悪の事態をいかにイメージできるかが、行動に差をもたらす。

 

 

続いて個人情報について、定義・取得・利用・提供・保管などのルールを説明。

ちなみに、昨年から「BYODの禁止」(医療介護において、個人の携帯やタブレットなどを仕事に用いることは原則禁止)となった。

 

プライバシーは、個人情報を多く含んでいたり、人によってその範囲が異なることに注意が必要だ。

そして後半は、部署ごとに集まってもらいワーク。

1人1人自分が扱っている個人情報を洗い出してもらい、その利用や保管などに問題点があれば、その改善点や対策について、グループごとにディスカッションしていただいた。

 

皆さん、休憩も無視して熱心に取り組んでいただいた。

夢中でディスカッションしている中、話を中断することは心苦しかったけど、最後はグループごとに発表していただき、参加者全体で情報と意識の共有を図った。

中には「明日から○○します」といった積極的な意見もあった。

 

正直、これだけグループディスカッションが盛り上がるとは想定外だった。

手前味噌だが、アイスブレイクや社員への投げかけなどで徐々に場を和ませ、話しやすい雰囲気に作り上げていったことやワーク自体にたっぷり時間をとったことに加え、お互いの距離が近かったこと(机が無かったこと)が功を奏したのだろう。

 

参加者や経営者から「分かりやすかった」「普段、こういった話し合いの場がなかなか持てなくて、非常に良かった」とのお声を多くいただいた。

主催者からも、「納得感のある研修だったと思います。三輪先生にお願いして本当に良かった」と言っていただいた。これ以上ない最高の誉め言葉(^^

自分的にも、今までの経験が集約されたような研修・ファシリテーターができ、手応えと自信を感じられた内容となった。

 

是非、今回の研修で話し合ったことを時折振り返っていただき、お互いにチェックし合いながら、業務に活かしていただけたらと思います。

 

主催者実施のアンケート結果(一部抜粋)


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