No 2000万円、No Second Life

金融庁の報告書「老後資産2000万円」問題。

メディアや世間は、やたらこの数字に騒いでいるようにみえる。

「年金だけではとても老後は暮らせない」ということは、国民の多くが薄々気づいていると思っていたが、必ずしもそうではなかったようで、まずそこが驚いた。(ちょっと計算すれば、だいたい分かりそうなものだが)

 

「だって国は『年金は100年安心』と言ってきたじゃん!」と言う、あまりにも馬鹿正直な、ピュアな人もいるようだが、それはあくまでも「制度維持」の話であって、我々の暮らしが未来永劫保障されるといったものではない。(政治屋の言うことをまともに信じない「政治リテラシー」を身につけよう)

 

 

5年くらい前に、ある公益社団法人から厚労省委託事業「生涯設計(セカンドライフの経済設計)セミナー」の依頼を受け、何度か登壇したことがある。

その際、年金についての基礎知識を解説した上で、最低限の老後生活を送るためには、定年時に2000万円必要である旨を説明した。もちろん、それなりの根拠があってのこと。(そのときの資料(下図)参照)

だから今回の「2000万円」という数字には、全く驚かなかった。むしろ「ですよねぇ~」といった今更な感じ。


 

確かに、金融庁の上から目線(「老後は、家売るなり引っ越すなり投資するなり、自分で何とかせえや」)はいかがかと思うが、それはそれとして、ようやく国は2000万円という具体的な数字をあげ、「年金はほとんどあてにならないよ。あとは自分でなんとかしよう」と公にしたのだ。

 

それを受け我々国民は、ブーブー文句を言うのではなく(言ってもいいけど、本当に年金あてにしてた?)、自分の生涯設計を真剣に考えるいいきっかけにすべき。(金融庁に感謝だね)

 

他方国は、国民が生涯設計についての教育を若いうちから受けられる機会を設けるべきだろう。

そして、この国をどうしていきたいのか明確なビジョンを掲げ、年金をはじめとする社会保障制度について、党派やくだらない派閥を超え、早急かつ真剣に議論すべき。(と言っても、今回の報告書を無かったかのように扱おうとする様子を見ていると、選挙を意識した政局しか見ていない政治屋の言動は相変わらずで、恐らく議論のテーブルにさえ乗らないのだろう)

 

今回の2000万円で将来不安が増大し、消費増税と相まって、ますますデフレから脱却できなくなると思うが、それは仕方がない。八方美人では何も解決しない。

「No 2000万円、No Second Life!」本音からしか始まらない。


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