アンガーマネジメント~見るだけノート

本の紹介。

先月から中小企業にも施行された、いわゆるパワハラ防止法。

法律論も大切だが、なぜ人は怒るのか・どうしたら怒りをコントロールできるのかといった、人の深層心理の方に興味がゆく。

 

同書は、タイトルこそアンガーマネジメントとついているが、怒りについての誤解・なぜ怒りが生まれるのか・怒りの扱い方等、その内容は多岐に渡っていて参考になる。

 

怒りが生まれる要因として「コアビリーフ」(ゆずれない価値観)というものがある。「~べきだ」「~して当然だ」といった価値観だ。誰しも結構あるんじゃなかろうか。

例えば待ち合わせ時間について。「時間通りに間に合えばよい」という人もいれば、「5分前までには着くべきだ」という人もいる。「10分前までには着くべきだ」という人もいるだろう。このように、人によってコアビリーフが異なるということを認識することは重要だ。

 

更に人にはそれぞれ許容範囲がある。例えば「5分前までに着けばよい」という人は、相手が10分遅れても恐らく怒ることはなく、「まぁ10分くらいなら許せるな」といったように。

この許容範囲を意識することもアンガーマネジメントでは大切になる。

 

人は、怒りの原因は相手や外部にあると思いがちだが、実は自分自身の中にある。

「自己受容力」が低い人は、自分を認められない→自信がもてない→自己防衛反応で怒るといった具合だ。

或いは、怒りは期待を裏切られたことによる失望や悲しみ、人への嫉妬など、いわゆる「一次感情」が原因になっていたりする。このあたりは、個人的に非常に興味がある。

 

アンガーマネジメントについては、怒りの数値化・コーピングマントラ・客観視(実況中継)等いろいろあるが、自分なりのテクニックを身につけておくことが大切。ちなみに僕は普段、怒りの感情が出てきたら、いったん中断したり席を外したりしてクールダウンする・怒った後のあの嫌な(恥ずかしい)感じを先にイメージする、ということを意識している。

「アンガーログ」や「べきログ」、「サクセスログ」等は手間がかかってハードルは高そうだが、その効果はいかがなものだろう?…一度試しにやってみようか?

 

アンガーマネジメントも大切だが、ため込むとストレスとなり、体調不良や自傷行為にもつながりかねない。

そこで大切なのがアサーション(相手を尊重しつつ、自分の伝えたいことを率直に伝えるコミュニケーション技法)だ。ただ、アサーションは必ずしも結果が伴うわけではないため、結果よりも「相手にきちんと伝えられた」ことを目標にするのがよいらしい。なるほど。

 

実は今、別会社でパワハラ研修用のボードゲームを企画開発中なのだが、人の怒りについての深層心理といった要素を取り入れようと目下奮闘中で、そのような意味でも同書は参考になる。


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