自覚すべし、使用者責任リスク

先日の工事足場の横転による痛ましい事故。幼い命が失われました。

そこで今回は「使用者責任」について取り上げます。

 

使用者責任とは「被用者(労働者)が事業執行につき第三者に損害を与えた場合、使用者はその賠償責任を負う」(民法法715条)というものです。

 

これは、使用者は被用者の業務執行によって利益を得ているため、被用者が第三者に損害を与えた場合に責任を負わないというのは不平等という考えに基づくものです。

「従業員がやったことだから会社は関係ないよ」という主張は通らないのです。

 

では使用者責任はどのような場合に成立するのでしょうか。それは主に次の3つに該当した場合です。

① 使用者と被用者との間に使用関係があること。実態で判断されます。

② 被用者の加害行為が事業の執行についてなされたこと。客観的に判断されます。

③ 被用者の加害行為が不法行為にあたること。

※使用者が被用者の選任・監督について無過失を立証できれば、使用者は免責されるとされていますが、実際はなかなか認められません。

 

 

今回の事故、「使用者」に当たるのは足場を設置した「下請業者」か、発注元の「元請業者」かという問題はあるにせよ(実質的に労働者を指揮監督していた方になる)、使用者責任が問われるでしょう。

労働安全衛生法違反も然り。

 

労働者を雇用するということは、使用者には「使用者責任」というリスクが常に隣り合わせにあるということを肝に銘じ、常日頃から労働者の指導、教育、管理を徹底しましょう。


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