引き抜き防止のための契約、有効か無効か

先日、IT企業の経営者からこんな質問を受けました。

とある同業他社の話。

いわゆる「SE」と呼ばれる人たちは、同業他社からの「引き抜き」が多いため、その対策としてSEを採用する際にこんな契約を交わしているそうです。

「退職する際、在籍1ヵ月あたり3万円の補償金を支払うこと」。

 

例えば3年在籍して退職する場合、36ヵ月×3万=108万円を会社に支払うということ。

この契約によって退職しにくい(引き抜かれにくい)状況を作るということです。

 

「この契約って有効なの?だったらウチもやりたいよ!」

そんな質問でした。

 

皆さんはどう思いますか?

 

 

答えは無効(違法)です。

憲法の「職業選択の自由」や民法の「公序良俗」に反するという理由です。

更に労基法では「労働契約の不履行について違約金を定めること」や「強制労働」が禁止されています。

 

ちなみに強制労働とは「暴行、脅迫、監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段により、労働者の意思に反して労働を強制すること」です。

その行為は相当広く解される傾向があります。

 

 

引き抜きを防止するためには、引き抜かれる原因を追究し対策を練ることや、もっと魅力的な会社にするとか、普段から社員の動機づけやコミュニケーションを図るとかの努力が必要です。

表面的なことより「事の本質」に目を向けるべきです。


社労士は選ぶ時代。

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