雇止め問題に一石を投じるか!?~改正労働契約法が成立!

改正労働契約法が成立しました! →関連トピックス

改正労働契約法のポイント
5年超勤務したパート・契約社員は、申し出れば期間を定めない雇用に

契約更新を繰り返したパート・契約社員への企業の雇止めを禁止

(有期契約を何度も繰り返した上で雇い止めした場合は解雇と同等にとらえて無効にするという最高裁判例が盛り込まれた)

契約期間の有無にかかわらず、待遇に不合理な格差を設けない
会社を離れた期間が6ヵ月以上あれば、5年の積み上げの対象にしない

今回は「雇止め」についてみてみましょう。

 

雇止めとは、パートなどの有期契約社員の契約を期間満了で終了させることです。

雇止めにおけるよくあるトラブルは、契約更新を何度も繰り返した挙句に行った雇止めの有効性を争うものです。

 

会社は、有期契約社員をいわば「調整弁」のように扱うこともよくある話。経営状態が悪くなれば、すぐさま首を切るのはまずこのような有期契約社員ですよね。

しかし労働者保護という観点から、雇止めには一定の制限がかかる場合があります。簡単には雇止めできない、ということです。

 

雇止めの可否の判断基準は、例えば次のとおり。

・業務内容の恒常性、臨時性はどうか

・継続雇用を期待させる言動、制度等があったか

・更新の回数、雇用期間の通算期間はどうか

・同様の地位にある他の労働者の雇止めの有無や更新状況はどうか 

・雇止めする合理的理由はあるか  などなど

 

そして、雇止めが認められないとなると「解雇の法理」が類推適用されます。

それは「解雇事由がなければ雇止めできない」ということ。(東芝柳町工場事件 最一小S49.7.22)

但し有期契約が無期契約に転換するということまでは、通常ありません。(日立メディコ事件 最一小S61.12.4)

 

これらの判断基準や解雇法理の類推適用については、どんな法律にも規定されていません。過去の判例から確立されたものです。

要するに、今までは雇止めに関する統一ルール(法律)がなかったのですが、今回の法改正により一定のルールが確立されたのです。

 

 

今回の法改正により、正規社員へ転換するケースが増えるのと同時に、一方で5年経過する前に契約を打ち切るケースも増えるものと考えられます。

労働者保護という意味では問題も残りますが、完全に問題を解消するのは難しいものです。(法律と実務のイタチごっこ)

 

いずれにせよ今回の法改正は、今まで雇止めに関してあまり深く考えてこなかった(多くの)企業に対して、一石を投じるものとなりそうです。


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