賞与は「死に金」

今が旬の賞与についての持論。

現在、人事制度を提案しているクライアントがあります。

その中で私は賞与をなくして、その代わりに毎月のインセンティブとして支払ったらどうかと提案しています。

社長にも賛成していただき、現在この方向で話を進めています。

 

そもそも賞与って何のためにあるんでしょうか。

・優秀な社員をつなぎとめておくため?

・モチベーションをあげるため?

・人件費を調整するため?

  

えっ?「理由はどうであれ、賞与はもらった方が嬉しいに決まっているじゃないか!」ですって?

それ騙されてますよ。賞与って、日本にしかない仕組みなんです。

だったら、賞与を12等分して毎月もらった方がよっぽどいいはずです。

 

 

一般的に賞与は年2回あり、人事考課等の査定によって決定されますよね。

そうすると、1回の査定対象期間が半年間にも及ぶということです。

これがいただけない。人間、半年も前のことを明確に覚えているでしょうか?結果、俗にいう「ハロー効果」や「期末効果」に陥って、社員の不平不満の温床となるのです。

考課(査定)は、できる限り短いスパンで行うのがベストなんです。

 

更に賞与では、インセンティブとして支払うのが最大半年先ということになります。

これもいただけない。インセンティブは短い方がいいに決まってますから。モチベーションに影響するということです。 

インセンティブは、直近の給与に反映させること・短期決済がベストなんです。(その分、社会保険料が高くなるというデメリットはありますが) 

 

 

良かれと思って払っている賞与。でも実は「死に金」なんです。

その原資を短期インセンティブとして活用した方が、よほど「生き金」になるのです。

「賞与はあって当然だ」という認識は考えものです。

 

それでもまだ賞与にこだわりますか?


お見せします、新しい社労士像。

          トモノ社労士事務所

                   静岡市駿河区西脇454‐2‐209

                電話054‐202‐0385

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    ピンパォン (金曜日, 14 12月 2012 19:02)

    すぐに「反対」とは言えないけれど、確かに賞与ってすごく社員を惑わせる制度ですよねえ。

    前に聞いた話ですが、新しく社員食堂を作って、そこが「有名レストランの料理を安く食べられる」ってことですごく社員から評判良かったらしいんですが・・・

    実体はその社食の運営のために、莫大な費用がかかったり、大量に人材を採用したりで、財務体制を圧迫していて、その分の負担を賞与カットで賄っていた、なんてことがあったそうです。

    自分も人事⇒経理と異動したから分かりますが、それに近いようなことって結構少なくないですよね。もちろん一般の社員は細かい運営体制まで分からないから、そういうのは表沙汰にならないんですが。

    とは言いつつも、すぐに賞与が無くなったら厳しいですけどね^^;

    それにしても、日本にしかない制度っていうのは初めて知りました。

  • #2

    tomono (土曜日, 15 12月 2012 11:13)

    賞与がなくなると困る人は多いでしょうね。それくらい当たり前になっていますから。
    一方で、賞与が出ない中小企業も昨今多いですが。

    社員食堂の例は本末転倒ですね。
    確かに賞与は人件費コントロールの意味合いも強いですが、せいぜい決算賞与での範疇とすべきでしょうね。

    大企業だと短期インセンティブは難しいかも。都度査定が必要ですから。
    ただし、査定の主たる目的を人材育成と捉えれば、大企業でもそうすべきなんですがね。
    中小なら査定はしやすいですから、賃金原資をもっともっと賢く活用できるのです^^(だからどんどん提案しています!)