マーケティング本の紹介。
タイトルのインパクトで思わず手に取ったこの本。何か見覚えがある名前だなと思ったら、数年前にこの筆者のセミナーに参加したことがあった。
そういうこともあって、早速読んでみることにした。
簡単なストーリーはこうだ。
経営コンサルタントである主人公は、ひょんなことから猿が経済界を牛耳る世界へ舞い込んでしまう。
とある商社に入社するのだが、そこは部長以上が全員猿。
彼に任されたミッションは、5つの事業部を立て直し、1年間で10億円の利益を出すこと。
個性豊かで一筋縄ではいかない猿たちを相手に、さまざまなマーケティング手法を駆使して利益をもたらしていく。
任務を終えた主人公は、果たして無事に元の世界へ戻れるのか…
マーケティングと言っても、そんなに深入りしていないため、初心者でも分かりやい。
また、異なる事業部ごとに、それぞれ異なったマーケティング戦略が展開されていくため、誰が読んでもきっと多かれ少なかれビジネスのヒントが得られると思う。
自分も至る所で(浅はかな)認識を覆させられ、なるほどぉっ!と感心しきり。改めてマーケティングの奥深さや面白さを知った。
同書は、全編を通じて”裏テーマ”とも言うべきメッセージがいくつか読み取れる。
例えば「マーケティングは組織力がないとうまくいかない」ということ。
物語で出てくるどの猿も異口同音に、猿が経済界を支配しているのは、人間よりも圧倒的に「結束力」が強いからだと言う。
猿は常に群れをなし、ボスの言うことには絶対服従である。一旦、目標や戦略が決まればチーム一丸となって邁進する。一方、人間は簡単に人を裏切る。
マーケティングと言っても、結局最後は人なのだ。
或いは「結局、最後は自分で考えて行動しなければ成功しない」ということ。
恐らく筆者は、自分でろくに考えもせず、何でもすぐに答えを求めてくるヒトを嫌と言うほど見てきたのではないか。(ただ、こういう人がお客になり得るのだから悩ましいが)
いずれにせよ、成功率3割という厳しいビジネスの世界で勝ち残るための、筆者からの厳しいメッセージだと受け取った。
売れっ子コンサルタントが書いた本だから、一体、どんなストーリーになるのか興味津々だったが、マーケティング理論はもちろんのこと、SFチックなストーリーや個性的なキャラクター、最後のどんでん返しといい、なかなか面白くてあっと言う間に読破した。
書店で、タイトルや表紙のインパクトに思わず手にしたわけだが、既にそのときから筆者のマーケティング戦略にまんまとはまっていたんだろうな(笑)
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