先日、社会人基礎講座で講師を務めた。
主催は静岡県中小企業団体中央会、後援は静岡労働局とハローワーク。
参加者は主に求職中の若年者や学生など。
当講座の”ゴール”は、労働法の基礎について習得することと、自分のキャリアについて改めて考えてもらうこと。
昨今はブラック企業やらブラックバイトが社会問題になっているが、これは若年者の無知につけこんだものとも言える。
労働法を若いうちから知ることは、自身のキャリアを守り築いていく上で大切なことなのだ。
さて、簡単なアイスブレイクをしてから本題に入った。
前半の基礎編では、ざっとこんなことを伝えた。
・労働契約、労働条件
・労働時間、休日、休憩、割増賃金
・休暇(有休、産休、育休など)、女性のための制度
・労働契約法(無期転換ルール)
・改正派遣法
・トラブル(解雇・未払い賃金・ハラスメント)
・給与明細の見方
・社会保険 など
労働法の話ばかりダラダラしても面白くないので、合間合間に実務ネタ・本音トークをなるべくたくさん取り入れた。普段いろいろな企業や経営者と接しているからこそできる話もある。
・非正規4割時代。イイ話とコワイ話。
・ブラック企業(ではなさそうな会社の)見分け方
・有休や育休を取りやすそうな会社の見分け方
・ピンチでもありチャンスでもある労働契約法、改正派遣法
・今、経営者はこんな人材を求めている
・最も多い解雇理由と解雇の進め方
・未払賃金やパワハラの対処法
・何かにつけて「ブラック」「ハラスメント」「ワークライフバランス」ってどうなの?
などなど
法律の知識を得ることは、同時に権利意識を高めることになる。
結果、社会に出たときにミスマッチを生む原因になる。労働法を完全にクリアしている会社などないからだ。中小企業はいつもギリギリのところで経営している。「ホワイト企業」など絵空事だ。(もちろん企業努力は必要だが)
だから現実のリアルな話も必要なのだ。「法律と現実」、この2つはセットで同時に伝えなくてはいけない。今回話をするスタンスとして最も意識したところだ。
そして後半は応用編。この時点で結構声はガラガラだ(笑)
応用編では、三択式の問題に答えてもらう形で、基礎編で得た知識や応用イメージを深めてもらった。
特に「固定残業代」については、勘違いしている受講生が多かったのが意外だった。
休暇や社会保険などでは、非正規より正社員の方が何かと得であることを改めて伝えたかった。
恐らく気づいてもらえたと思う。
そして最後に、僕自身のキャリアを踏まえた上での僕なりのエールを送って締めとした。
時間的にかなり一杯いっぱいだった。1年かけてじっくりやるべき内容と言っても過言ではないボリュームを、3時間に無理くり凝縮したのだから無理はない。
だからつい話に夢中になって、休憩を予定どおり取るのを忘れてしまった(笑)
でも受講生は、最後まで集中して聴いてもらえたのではないかと自負している。
今後、自分のキャリアを考える上で是非役に立てて欲しい。
アンケート結果(一部抜粋)
満足度 満足…64% やや満足…36% やや不満…0% 不満…0%
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とても勉強になりました。ありがとうございます。 |
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今回の講座で今まで働くまで関係ないと思っていた多くのことに興味がもてて良かったです。 |
・ | 法律のルールの必要性が少し分かった気がします。 |
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社会人として知っておいた方がいい知識を得ることができて良かった。今後これに関する情報を積極的に得ていきたいと思う。ありがとうございました。 |
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もう少し早くこのイベントに参加できていれば良かったです。 |
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分かりやすく聴くことができました。皆が疑問に思うような点をピックアップしていて理解が深まった。 |
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現在求職中です。派遣について知識がないので、労働法からの知識を得たいと思い参加させて頂きました。 |
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社会人として働いてきまして、自分では分かっているつもりだったはずなのに分かっていなかったり、勘違いして覚えていることが多くて、お話を聞いてとても勉強になりました。 |
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