この法律、意味ある?

そういえば先日、社労士試験があった。

受験した人の話によると、問題は結構やさしかったようだ。

まぁ、昨年の反動なんだろうが、その年の試験レベルに振り回されるのがこの試験だ。運も関係するのだ。

 

受験から既に10年以上経過し、試験自体にすっかり興味がなくなっている僕だが(笑)、たまにこうやって受験生に会うと、夢中になって(恐らく人生で一番)勉強していた頃を思い返す。

当時のテキストはボロボロだが、未だ捨てられずに本棚の片隅で眠っている。

 

 

さて、受験生のときは何も気づかず、ただただ一生懸命覚えた法律も、実務をしていると、なんとも使えないことに気づかされることがある。

 

例えば、労基法第91条「減給の制裁」。

「減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」というやつね。

 

仮に月収30万円(平均賃金1万円とする)の社員に減給処分を科す場合、1事案に対して減給できるのは、せいぜい5000円までで、しかも1回ポッキリだ。何回(何ヵ月)も減給できない。…効果うっすっ!

複数の懲戒事案がある場合は、最大3万円まで減給可能だが、これは実に6回分の減給にあたる。1ヵ月の間に6回も懲戒処分することは現実にはまずありえない。(仮にあったとしても、その前に解雇するだろう)

 

就業規則には当たり前のように規定されている減給だが、その実効性はかなり乏しく、僕は今まで実務で一度も経験がない。

「だったら『降格』させ、それに見合う賃金に下げよう」ということになる。当然の話だ。(但し通常は降格の方が重い処分だから、簡単に減給を降格に、というわけにはいかないが)

 

 

あと労基法第39条「有休の時間単位取得」とか。

あの手続き・管理の細かさ・面倒くささたるや、全く実務を知らないお役所的発想と言わざるを得ない。ちゃんとやってる会社ってあるのだろうか?

で実務ではどうかというと、結局その会社独自で、時間単位なり半日単位での取得ルールを勝手に(?)作って運用している。(場合によっては労基法違反になるのだろうが、むしろ法律を変えるべき)

 

 

「今の時代、この法律って意味ある?」という視点で労基法を見返すと、結構発見があったりする。


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