黒か白か

「ホワイト企業大賞」なるものがあるそうだ。

公式サイトを見ると、ホワイト企業とは「社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にしている企業」と定義されている。

前回のブログで紹介した「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」ともろかぶりそうだ(笑)

選考基準が全て公にされていない点が気になるが、いい会社を表彰し、世に周知するという主旨に反対する理由は見つからない。

 

他にもネット検索してみると、「新入社員に優しいホワイト企業」なるものもある。こちらは、採用3年後の離職率が低い順に企業をランキング形式で発表している。

ただ、この内容でホワイト企業と呼ぶのは、いささか早合点な気がするが…

 

 

さて、この「ホワイト企業」という言い方、実はあまり好きでない。というか、正直気持ち悪ささえ覚えるのは僕だけだろうか?

 

以前も当ブログで書いたけど、昨今の労働法や労働判例は、企業にとってより厳しいものばかりで、労働法を全て遵守しているような企業は恐らく皆無だろう。(少しでも法令に抵触している企業をブラックと呼ぶのなら、ほとんどの企業はブラックになる)

清廉潔白な人間がまずいないように、どんなに立派に見える企業でも、たたけば多かれ少なかれホコリが出るもの。

ホワイト企業などほぼ存在しなく、多くの企業が「グレー企業」なのだ。

 

更に最近は「人が採れない・生産性を上げろ・長時間労働はするな」という三重苦が企業にのしかかっている。約7割の企業が赤字という現実の中で、それでも何とか社員への賃金と利益を捻出しようと努力している。

ブラックとかホワイトとか簡単に言える人は、企業経営の現実をよく知らないのだろう。

 

今の世の中、あまりに「黒か白か」に過敏になっていて、極端に偏った見方をしているような気がしてならない。


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