なすびの経営戦略

先日、なすび経営者、藤田圭亮氏の話を聞きに行った。

なすびと言っても、主に市内で飲食店を営んでいる会社のこと。静岡市民であれば多分誰もが知っている。(と思う)

 

前半は経営的な話。

・先代の創業当初からしばらくは債務超過が続いたが、藤田社長に変わり次第に成長企業へ移っていった。

・バランスシートは、一事業年度が終わった際のキャッシュと自己資本比率を重視している。現在の自己資本比率は8%(業界平均25%)、経常利益は約10%。

・店舗はいくつかあるが、全て違う客層をターゲティングしている。目的や年齢などで店を使い分けてもらっている。

・現在は「池クジラ経営」として、静岡市内でNo1を目指している。一方、県外の客を来静させることにも注力している。

・「お客の喜びを51、経営数字の追求を49」というバランスで経営を考えている。

・目標は全て数値化している。例えばESは離職率で見る。

・経営者は「止める決断」が重要。過去に中国進出を果たした時期があったが、その理不尽さに撤退を英断したことがある。(利益の多くを奪い取られてしまう。結局、中国共産党次第) など

 

後半は人材についての話。

・「心をベースにした経営」を重視している。

・平成28年の離職率は4.8%。(飲食業界全体の離職率は31.5%、全業種で15.5%)

・社員や役員が中心になって作成した「なすびフィロソフィー」があり、月1回フィロソフィーミーティングを開催している。

・社員間で、良い仕事をした人に対して「グッドジョブカード」を渡している。たくさん渡した人を表彰する制度がある。

・年2回「ビジョンシート」にて評価し、年4回役員と社員の面談を実施。

・経営数字は全て毎月社員へ公開している。

・給与日は社長自らが社員一人ひとりに明細と社内報を手渡し、言葉をかけている。

・社長の手帳には社員の誕生日が記載されていて、社員の誕生日に、社長の直筆の手紙と商品券をプレゼントしている。

・家族参観日では、社員が初めて作った料理を親に食べてもらったり、子どもが職場見学できる機会を設けている。

・オーナーと社員の時間の共有を目的に、海外視察研修を実施している。当該研修は日当を出している。

・来年から外国人材の採用を始める。まずベトナム人2名を採用する。

・今後、積極的にシニア層の活用も考えている。 など

 

 

藤田社長の現在のご活躍や若いころのエピソードを聞いていると、非常にアイデアマンで行動力に長け、経営に関して勉強熱心な方だという印象をもった。

優秀な経営者としての素質をお持ちで、なぜなすびの業績が堅調なのか、なぜなすびの社員は辞めないのか、その理由がよく理解できた。


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