経営理念「人を幸せにする」の「幸せ」とは

先日、昨年「日本で一番大切にしたい会社大賞」を受賞した「合掌苑」の森一成社長の講演を聴いた。

この会社のミッションは「合掌苑に関わる全ての人を幸せにする」だ。

「幸せにする」という理念やミッションは、日本で一番大切にしたい会社大賞を受賞する企業は、ほぼほぼ掲げている。

 

では、そもそも「幸せって何?」と問われたら、皆さんはどう答えるだろうか?

もちろん、人によっていろいろだろう。

 

内閣府の調査によると、人が幸せを考える際には、健康状況や家族関係、家計、自由時間など色々重視する要素はあるが、どれ一つとっても普遍的なものはない。

例えば、生活満足度と1人当たりの実質GDPの推移を見ても、GDPが伸びても生活満足度は全くと言っていいほど変わっていない。

或いは、自由時間の長さと幸福の関係についての調査結果を見ても、自由時間が7時間未満が最も幸福度が高く、自由時間の多さと幸福度は決して比例しないことが分かる。

 

 

ん~だとしたら幸せって何だ?

 

森氏曰く「幸福論」というのがあって、幸福感に影響を与えることとして次のようなものがあるそうだ。幸せを考える上でヒントになる。

①失業はその所得損失以上に幸福感を損ねる。

②親密な他者との社会的なつながりの多様性と接触の頻度が高い人は、主観的幸福感が高い傾向があるが、つながりの数は主観的幸福感にあまり関係ない。

③ボランティア活動や慈善行為は幸福度に大きく影響する。

④うつ傾向が高い人ほど幸福感は低い。

⑤モノを買うことと幸福感とは相関性がない。

⑥自分のためにお金を使うよりも、他人のために使った方が幸福感は高い。

⑦感謝は物欲を低下させ、幸福感を高める効果がある。

⑧多様な選択肢がある場合に「常に最良の選択を追求する人」よりも「そこそこで満足する人」のほうが幸福な傾向がある。

 

森氏は、幸せとは運・不運や他者との比較で決まるものではないことも強調されていた。

 

②は全く同感で、人と積極的に交流することは大切だが、だからと言って人とのつながりが多ければ必ず幸せになれるなんて全く思わない。

FBなどで「友達多い自慢」をしてる人がたまにいるが、会ったことも喋ったこともない人をどうして友達と呼べるのかまずその感覚が不思議。

むしろそういったSNSに振り回されることで自律性を欠き、それは結果不幸なことなんだろうと思う。「とっもだっち100人でっきるかなっ♪」いやいや、できなくていいし、そんなにいても困るのだ。

 

⑤もよく分かる。若い頃はヴィンテージギターを売っては買ってはしていたけど、確かに物質的な満足感は得られたのだろうけど、ただそれだけだった。(まぁ若気の至りみたいなもんで、それはそれで後悔はしていないけど)

 

③はまさに時の人、ボランティアの尾畠さんのような人のことを言うのだろう。こういう人は幸せなんだろうね。周りの人たちも幸せにしてる。

ちなみに、自分に最も欠けているのはこの③だろう(笑)…だって自分が一番かわいいから。

 

⑧も確かにそうだと思う。最たるのは結婚だろう。でも「結婚=幸せ」という方程式は既に崩壊しているけど。

 

 

ではどうやったら幸せになれるのか?

 

森氏は、幸せになるためには、次の「幸せ4因子」の気持ちをもって行動し、自律することが大切だと強調されていた。

①やってみよう~自己実現と成長

②ありがとう~つながりと感謝

③なんとかなる~前向きと楽観

④あなたらしく~独立とマイペース

 

おお、こっちは結構自分には当てはまる感じがする…そうすると自分は結構幸せなのか!?

ちなみに「ありがとう」の反対は「当たり前」だそうだ。

職場でいかに「当たり前」の気持ちを無くし、ありがとうの感謝の気持ちをもてるようにするかが大切。

 

 

大賞を受賞するだけあって、「幸せ」とは何かをとことん追求・考察され、それを実現すべく経営されている。

普段セミナーなどで軽々しく「社員の幸せを~」と言っていた自分が、ちょっと恥ずかしくなった。幸せについて深く考えさせられた。


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