父が娘に語る経済の話

本の紹介。

生物の世界に食物連鎖があるように、経済の世界も相互依存によって、極めて微妙なバランスの上に成り立っていることがよく分かる。経済は全ての人に頼っている。

 

人間の行動は「気持ち」が絡むから複雑だ。ときにそれは不合理であり、また人間らしさでもある。机上の理論だけでは、経済の本質は理解できない。その点、この本は経済の本質が興味深く学べる。

 

なぜ格差が起こるのか、市場社会が生まれたのか、「余剰」というキーワードを使い、西洋の歴史や逸話を背景に解説しているのが非常に新鮮だ。

 

市場社会が生まれたのは、元々借金が原動力になったし、公的債務がなければ市場社会は回らないという。

ビットコインは、国が管理しないが故に大きな2つの弱点があるという。

この辺りは、元々ギリシャの財務大臣を務めた筆者ならではの見方なのかとも思うが、自分の中の常識が揺らぐ。

 

労働市場のくだりは、超売り手市場の今の日本に「狩人のジレンマ」の理論が当てはまるかは疑問だが、人の楽観主義か否かが影響するとは面白い。

 

第二次世界大戦中の、ドイツの収容所におけるタバコの交換価値のくだりは、お金とモノの交換価値を考える上で非常に興味深く読めた。

 

 

タイトルにあるように、筆者は自分の14歳の娘が経済を理解できるようにと思いこの本を書いたらしいが(少なくとも一般の中学生には難しい内容だと思うが)、我々大人が読んでも大変興味深く経済を学ぶことができる本。お勧め。


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