就業規則説明会の鉄則

先日、就業規則社員説明会に同席した。

数ヵ月前にご紹介を受け、スポットで就業規則や諸規程の全面的な変更依頼を受けた。現行の規則が古く、有休取得など曖昧に運用されている社内ルールもあって、これを機にちゃんとしたいという社長の思いからの依頼だった。

でこの度ようやく完成したため、社員説明会を開催することとなり、オブザーバーとして参加したのだ。社員説明会はいつ以来だろう、久しぶりだ。

 

社員説明会と言っても、それなりに事前準備が求められる。

・誰が何をどのくらい説明するのか

・事前に想定問答をしておく(特に賃金などの不利益変更)

・当日、資料を渡すのか決めておく

・説明会後は社員にサインをしてもらう等

 

説明は、企業の人事や社長本人からしてもらのが鉄則だ。

仮に僕が説明してしまうと、社員からすれば「ってかお前誰だよ?ウチの何知ってんだよ?」ってなりかねない。社長のメンツを潰すことにもなるかもしれず、それは絶対避けたい。(ただ、中にはどうしても説明が苦手だったり面倒だったりでできない人がいるので、その場合はしょうがなく引き受ける)

 

想定問答は、ある意味最も重要だ。予め出そうな質問・やっかいな質問について想定し、ある程度答えを用意して臨むのが鉄則。さもなければ、不祥事を起こした政治家が突然の記者に突っ込まれたときのように、グダグダな回答になりかねない。

今回のようにスポットだと更に難しい。もし僕に何か法的な質問が出たときに、一体どの程度まで説明していいのか?ということ。その場合は、一旦その場は曖昧にして、後から会社を通じて返答する方法しかない。下手に法律論(正論)を言っても、後々社長が困ったり社長のメンツを潰すことになりかねない。

 

当日の資料をどうするか(そのまま渡すのか回収するのか)ということについては、案外忘れがちだ。どうするかは会社の自由だが(もちろん、後で就業規則は誰でも閲覧できるようにしておく)、その会社の職場風土や労使の関係性が垣間見えるところ。

そのまま渡すと、外部に持ち出されたり、揚げ足を取られたりすることを懸念し、説明後に回収するところもある。ただ、社員からすると「何か後ろめたいことがあるんかい?」となりやすい。

 

 

今回の社員説明会は、特に大きな問題もなく比較的スムーズに終わった。

特に不利益変更らしい変更がなかったことが大きな理由だと思うが、むしろあまりに質問が出なかったので、時間を埋めるために僕からいくつか補足説明したくらいだった。

ただ、人前で目立ちたがらない静岡の人の人間性を考慮すると、これからいろいろと質問が出てくる可能性はあるかな。

社長もポイントをうまく説明され、斜に構えている人もいなくて(←たまにいる)、説明後は資料もそのまま全て渡した。労使の信頼関係が垣間見えたようだった。

今後、是非この社内ルールを皆が意識して、より成熟した組織になるよう一役買えたのであれば嬉しく思う。

 

就業規則の社員説明会をスムーズにするためには、いくつかの鉄則がある。


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