悩ましい労働条件明示新ルール

来年4月より、労基法施行規則の改正により労働条件明示ルールが変わる。

全ての労働者を雇用する際、就業場所と業務について、「雇入れ直後」のみならず「その後の変更範囲」についても明示しなければならなくなる。それに伴い職業安定法も改正され、求人を出す場合には同様の記載が必須となる。

恐らく、採用求人に関するトラブル(最初に明示した労働条件と異なる扱いをすること)が多いことが背景にありそうだが、企業にとっては悩ましくなる。

 

例えば、新卒や中途の若年者を採用する際、将来的にいつか異動させたいが(異動する可能性があるが)、まだ採用時にはその内容や範囲が具体化できない場合だ。

そうなると企業としては、「その後の変更範囲」には、「県内全営業所」とか「本社全部署」など、とりあえず広く網をかけた表現にしたくなる。

 

他方、求職者は「あ、異動があるんだ。しかも県内全営業所が対象だってよ。やだな…エントリー辞めとこ」ってなりかねない。今は異動したがらない人が多い。

 

では、企業は「その後の変更範囲」に何も記入しないとなると、それは限定採用とみなされる要素が強まり、採用後に異動させるには原則本人の同意が必要になる。

いくら就業規則に「会社は異動させる場合がある。社員は正当な理由がなければ拒否できない」と規定してあったとしても、個人の労働契約が優先する。

 

労働条件明示の新ルール、実に悩ましい。

 

 

PS

ちなみに、どこまで具体的に明示しなければならないか労基署に問い合わせてみたが、今のところそれに関する指針は出ていない模様。他方、つい先日、職業安定法がらみで求人記載例が公表されたので、しばらくはそれを参考にすることになりそうだ。


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