依然パワハラ関係の相談は多い。
最も多い内容は、依然として「○○はパワハラに該当するのかどうか?」というパワハラの境界線に関するもの。
パワハラの判断基準は、その指導が「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」といえるかどうかだ。
具体的には、次に照らして考えるとよい。
①目的が正当であるか
②目的に照らして手段が相当かどうか
例えば、不正経理をした部下に上司が会議で叱責。その上で「会社を辞めれば済むと思っているかもしれないが、辞めても楽にならないぞ」と言ったケースを考えてみると、
①目的 部下の不正に対する指導…正当 →これはパワハラでない
②手段 会議で他の社員の面前で叱責…目的を達成するにあたり必要なこととは言えない。会議室等に呼び出し、他の人に見られないよう指導する手段もあったはず。
更に「会社を辞めても~」の発言…目的を達成するにあたり必要なこととは言えない。
→相当性を欠き、結果パワハラに該当
このように、一つの事案を①目的と②手段に分け、それぞれ必要性や相当性があったかを順に考えてみるとよい。どちらか一方でも欠けばパワハラに該当する可能性が高い。
ちなみに人格否定や侮辱するような言動は、やはり相当性を欠き、パワハラに該当する可能性は高い。