先日のネット記事。
助成金狙う悪徳社労士、コロナ禍の「雇調金バブル」で相次ぐ…3年間で64人が関与・刑事事件にも
『国の助成金の申請代行業務を独占的に担う社会保険労務士が、不正受給の申請に関与した例が相次いでいる。読売新聞のまとめでは2024年度までの3年間に、少なくとも64人の社労士が従業員を休業させた企業への助成金など計約11億円の不正受給に関わったことが判明。刑事事件に発展したケースもあり、専門家は対策強化を求めている』
残念極まりない記事だが、最近、助成金の不正受給に同業者が「巻き込まれる」という話をよく聞く。
巻き込まれるとは、助成金の支給申請依頼者(事業主等)が不正受給を企み、それを見抜けず受託し申請してしまった悪意なき社労士が、知らないうちに不正受給に加担してしまうこと。
この記事の64人の中にも、そういった人がいたかもしれない。
実は、僕の身近にも巻き込まれてトラブルになった知人同業者がいる。
一時は病んで廃業も考えたそうだが、弁護士を立て何とか罰せられることは免れたという。
当所は、助成金については開業当初から一貫してしていることがある。
それは、スポットは受けないということ。
なぜなら、その企業の実態をよく知らないからだ。だから、もし受託するとなると、例えば適切に労働時間を管理しているか、残業代を払っているか、就業規則は整備されているか等色々調べなくてはならない。そこに莫大な労力が生じる。正直やってられない。
加えて、スポットが故に信頼関係など何も構築できていないから、何かあったときのリスクや怖さもある。
前述の知人同業者も、相手は知り合いから頼まれた客だったそうだが、やはりスポットだ。
とは言え、いくら巻き込まれ事故であったとしても不正は不正。
気を付けなくてはいけないのはもちろん、何よりも社労士に対する世の信頼回復に努めなければ。