最近のニュース。
『社会保険労務士の業務を無資格で行ったとして、大阪府警は、税理士法人(大阪市中央区)の代表税理士(39)ら2人を社労士法違反容疑で逮捕した。府警は2022年4月~今年8月、約340件の業務を無資格で行い、約400万円の報酬を得たとみている。
捜査関係者によると、他に逮捕されたのは、同法人の従業員で行政書士(46)。2人は共謀し、6~7月、大阪府と東京都にある顧問先の3企業について、社労士資格がないのに従業員の労働保険料に関する申告書や還付請求書計4通を作成し、大阪労働局などに提出して報酬計4万円を受け取った疑い。
昨年10月、大阪府社会保険労務士会から情報提供があり、府警が同法人の事務所から資料を押収するなどして捜査を進めていた。報酬は1件あたり5000円~10万円だったという』
昔からいわゆる士業の境界線の話は時々出るが、現在は社労士会と税理士会で、税理士が行う社労士業務について、租税債務の確定に必要な事務としての計算や書類作成は許されるが、提出代行や事務代理は許されない、という確認書が締結されている。
とは言え、社労士業務を無資格で行っている税理士は、昔から多かれ少なかれいるのではないかと推測するが、逮捕者が出るに至るとはね。
1年で約100件、1件につき約1万円。よほど悪質性が高いと判断されたのか。
このニュースを見て、ビクビクしている税理士もいるかもしれない。
ただこのニュースは、ブーメランのように我々社労士にも降りかかるかもしれない。
それは年末調整業務だ。
僕が知る限り、多くの同業者は給与計算の代行を行っている。給与計算の代行は無資格者でもできるが、年末調整は税理士しか代行して報酬を得ることはできない。
果たして、年末の給与計算で年末調整をわざわざ税理士に委託している社労士はどれくらいいるのだろうか…
ちなみに当所は開業以来、給与計算は全く受けないという方針の元やってきているから年末調整など無縁w
ビクビクしている社労士は多いのでないだろうか。
このあたりのいわゆる士業の境界線について、お互いにコンプライアンスの意識を高める必要がある。