先日、とあるクライアントの事務担当者から電話が入った。
「労災が発生しました!」との一報。「労災」というワードを聞くといつもドキッとする。しかもそのクライアントは建設業だ。
よくよく聞くと、下請けの社員が被災したようだ。被災後、社長はすぐに「元請けである当社の労災を使って下さい」と伝えたようだ。
取り急ぎ事故の概要を報告してもらうべく、専用書類に記入後送ってもらうよう伝えた。
続けてその担当者は「別件ですが」と前置きして、「○○会社から、建設現場に入る条件として、社長の今の特別加入の給付基礎日額を満額に変えるよう要請された。その手続きをしてもらえないか?」との依頼が。
僕は一瞬「?」となり、「事故があれば元請けの労災を使うのに、変な話ですね」と言ったら、「そうなんです。でもそれが条件なようで…」と困惑している様子。その親会社は、建設業界では規模はそこそこ大きい。
その通りにする法的な義務はないはずだが、断れば仕事をくれないだろうから、泣く泣く従うしかない。恐らく、何かあった時に下請けの労災を使い、かつ損害賠償請求されないようにそうしているのだろう。
建設業界の労災は未だグレー(ブラック)だ。未だに平気で下請けに無理な対応を強いている。昔から何ら変わっていない。今回のクライアントとその親会社は、まるで正反対の対応だ。
下請法が来年から取適法に変わり、法の対象取引範囲が広がるが、委託事業者の義務の中には、労災については特に具体的に触れていない。建設業界の闇を正すためにも是非入れてもらいたいものだ。
