ガリガリ君の本のご紹介です。

今や国民的アイス(キャラ?)となったガリガリ君。
この本は、そんなガリガリ君を世に送り出した「赤城乳業㈱」の知られざる歴史や、ビジネス戦略や人材育成論などの経営哲学が詰まった本です。
同社のスローガンである「あそびましょ。」
本気で「仕事を楽しもう!」という姿勢が随所でビシビシ伝わってきました。
遊び心ってすごく大切だと思います。
私は今の時代のビジネスに必要な付加価値を生むために最も大切なものは、間違いなく「遊び心」だと思っています。
ただ、どんなに素晴らしい発想やアイデアがあっても、自由に発言できる職場風土がなければいけません。
赤城乳業は、そこもちゃんとわかってるんですよね。それが「言える化」です。
・いくつか設置された委員会では、若手社員をリーダーに抜擢
・会議では、上司は途中強制退席
・人事評価では、部下が上司を評価
・失敗してもペナルティはあるが、リベンジOK
・定期的に開催される社員旅行で親睦を図る 等

「なんでも言える職場」とか「フラットな組織」を理想とする中小企業も多いですが、なかなかうまくいっていないのが現実です。(上司から「何でも自由に言っていいぞ」と言われたところで、部下は自由に言えるはずもなく…)
そのような中、赤城乳業が成功している理由は、そのための具体的な場所や制度を社員に提供しているからです。
また言える化は、「大企業病」を防ぐためでも重要です。
強い中小企業「強小カンパニー」を目指しているという井上社長ですが、今や社員300人を超す中堅企業。
大企業になるほど組織は硬直化・官僚化し、常識に縛られがちになります。官僚風土が蔓延し、いつの間にか管理することが仕事になってしまいます。
このような大企業病にかかってしまえば、新しい発想やアイデアが生まれにくくなります。赤城乳業らしさがなくなります。
社長は、そうなることを最も恐れているのです。

そして言える化は、ビジネス戦略でも。
次々と新商品を提供したり、同じアイスでも3種類のパッケージを用意したり、不要なはずなのにあえてスプーンを用意したり、真冬の札幌の街頭で(着ぐるみの)ガリガリ君がアイスを配ったり。
これらは、絶えず話題を提供し客を巧みに売り場へ誘導するためのもの。
「今度発売されたコンポタ味、何だかよく分からんが話題になっているらしいぞ」と、いつの間にかガリガリ君を手に取っている。
これは全て同社の計算どおりだったんですね(笑)
そして、年間100件以上企画するという企業とのコラボ。
例えばサッカー代表とのコラボアイスや、ガリガリ君の漫画掲載やゲーム共同開発、関連グッズ販売などなど。
そしてついには、スターウォーズとのコラボや駅長就任まで!(笑)
もうここまでくると何でもアリって感じですが、いずれにせよキャラクタービジネスって凄いです。
このように、次々と話題やコラボ企画を提供できる背景には、社員が意見やアイデアを自由に言える環境があるからこそです。
大の大人が本気で仕事を楽しんでいる、ちょっと変だけど面白い会社。
製造業だけど製造業らしくない会社。
こういう会社だからこそ、ガリガリ君が誕生し今も国民に愛され続けているんですね。納得です^^
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