職場のメンタルヘルスに潜む企業リスクと実務対応

先日、メンタルヘルスに関するセミナーで登壇した。

これは静岡商工会議所様主催のセミナーで、昨年に続きありがたいことに今年もお声がけいただいた。

参加者は中小企業の人事担当者や経営者ら40名あまり。満員御礼(^^

採用、職場でメンタル不調者が出た場合、休職命令、休職中、復職の判断、復職後、退職・解雇、労災認定など、それぞれの場面における企業リスクとそれを回避するための実務対応について解説した。

 

前回と少し趣向を変え、今回は労働法や労働判例についてオリジナル資料でたっぷり?ご紹介した。

復職の判断など、メンタルヘルスは判例抜きには語れない。

 

精神障害の労災認定は独自の評価ルールがある。

「出来事」の前後に例えば月100時間ほどの時間外労働があれば、業務上の心理的負荷が「強」と評価される。長時間労働はメンタルヘルス疾患を誘発すると考えられているからだ。

あの電通事件も、出来事の評価は中であったが、長時間労働があったため強と評価された。

 

 

 

労災認定されると、民事訴訟になった場合、業務起因性がほぼ認められてしまう。労災認定基準は、裁判でも合理性があると考えられている。

 

過重労働→うつ病→自殺→労災認定→安全配慮義務違反。こうなると賠償額は1億円にのぼることもある。

企業としては、できる限り労災認定は避けたいところだ。

 

また、実際に代理人としてかかわった、元社員からパワハラによる精神疾患で慰謝料を請求された「あっせん」事例も紹介した。今は労働者が訴える手段もいろいろある。

最後は過重労働リスクについて。

メンタル疾患、過労死、労災認定、時間外上限規制の罰則、未払い賃金の各リスクに加え、レピュテーションリスク、そして人材不足リスク。

今や過重労働対策は待ったなしだ。

 

 

セミナー後、アンケートを拝見させていただいたが、「大変理解できた」「理解できた」が半々くらいだった。

ちょっと内容を詰め込みすぎたかも…(笑)

 

是非実務で参考にしていただき、メンタルヘルス問題が出にくい職場環境・人間関係を構築していただけたらと思う。


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