士業の境界線

先日、クライアントとの話。

そのクライアントは、記帳代行を行政書士に依頼している。

ところが最近、その行政書士に税理士から横やりが入ったため、仕事を続けるのにナーバスになり、(年齢のこともあり)結果引退されるそうだ。

記帳代行なんて資格がなくてもできるはずだから、そんなの放っておけばいいのにね。

 

 

さて、このような「士業の境界線」の話は以前からよくある。

例えば、税理士が労働社会保険の手続きをしたり、社労士が年末調整をしたり、行政書士や中小企業診断士が就業規則を作成したり。最近では、司法書士も労働問題に首を突っ込むようになってきた(笑)

 

境界線におけるグレーゾーンについては、ちゃんと仕事をして(間違った仕事をせず)お客が納得していれば原則問題ないのでは?というのが持論だ。だからこの手の話は、周りが騒ぐほどあまり関心がない。

 

ただ就業規則に限って言えば、今は簡単にネットから雛形をダウンロードできるから、誰でも(一応は)完成させることはできる。ただそれは、昨今変化が著しい労働法や労働判例の実態をよく知らないからできるのであって、それらを知れば知るほど、恐らく怖くて手を出せないだろう。

 

 

最近、人材不足対策や働き方改革の一環として「生産性を上げよう」という話をよく聞くが、普段我々がやっている事務仕事などは、ますますそのターゲットになるんだろうなとよく感じる。

電子申請の利便性やAIの技術がますます向上していき、誰もが今よりももっともっと簡単にできるようになる。

 

そんなことも踏まえて改めて考えてみると、今後ますますグレーゾーンって広がっていくと思う。

「この仕事はこっちの仕事だ!」とか「いや、こっちの仕事だ!」なんて言っている時点で、もう時代錯誤のような気がするのは僕だけだろうか。

結局は、例えボーダーレスになっても、生き残っていくための差別化や付加価値が大切になるんだろう。


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