ちぐはぐなコンセプト

先日、市内のとある蕎麦屋に入ったときのこと。

その蕎麦屋はたまに利用するくらいだが、昼のランチが1000円前後でいただけるとあり、いつも混んでいた。

久しぶりに店に入ると、いつもと雰囲気が違う。どうやら店内を少し改装したらしく、店主も変わったようだ。

でよくよく店主の名前を見たら、市内では有名な人だった。蕎麦にかける情熱は半端ないくらい熱い人で、地元のテレビなどで紹介されたりしている人だ。

 

「こりゃラッキーだな。うまい蕎麦が期待できるぞ(^^」と、思わぬサプライズに、内心ちょっとばかしのガッツポーズ。

 

しばらく待たされた後、通されたのは大きな円卓だった。

以前は座敷とテーブル席があったが、改装後はテーブル席が全て取っ払われ、大きな円卓に変わっていたのだ。

案内された席に座り、メニュー表をじろじろ品定め。やはり値段は総体的に上がっている。「まあ、これもうまい蕎麦が食べられるのだから良しとしよう」と、1500円ほどのメニューをオーダーした。

 

但し!ここから苦痛が始まった。

 

円卓には、既に5、6人のお客が座っていたのだが、特に「つい立て」のようなものがないため、へたにキョロキョロすると周囲のお客と目が合い、何だか気まずい。そんなこちらの気もよそに、その後もどんどんお客が円卓に案内され、「巨大な相席」と化していった。

結局、スマホをいじる振りをする他なかった。

 

更に困ったことに、待てど暮らせど注文した料理が出てこない。

そう、蕎麦にかけるこだわりが強いため、料理が出てくるまで時間がかかるのだ。

「いや、平日昼だし。うまい蕎麦は魅力だけど、時間ないし」と少しずつ不満が。(周囲の客もソワソワし出す)

結局30分近く待たされ、出てきた料理を一気に胃袋へかき入れて、逃げるようにその場を立ち去った。

 

 

昼間のランチで高級志向もいいが、だったら円卓は無いだろう。

円卓って、結局は客の回転を速める意味があるとしか思えないのだ。例えばクライアンなどを接待する場合、せっかく美味い蕎麦があっても、少なくともこの店は使えない。円卓で接待は無い。

 

逆に円卓(客の回転)にこだわるのであれば、蕎麦の質を多少下げてでも、もっとスピーディーかつリーズナブルにするべきだろう。特に昼はビジネスマンが利用することが多い店だから、こちらの方が理にかなっている。

 

一体、誰をターゲットに何を提供しようとしているのか、その戦略やコンセプトがあまりにもちぐはぐで残念だった。そして、この店の行く末を案じながら店を後にしたのだった…って大きなお世話か。


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