研修転移の理論と実践

企業研修の本の紹介。

企業研修は、「やりっぱなし」で終わることが多いのではないだろうか。

どうしたら効果的な研修になるかは、研修に携わる者にとっての永遠の課題だ。

 

同書は「研修転移」(研修で学んだことが現場で実践されること)の理論や実践におけるポイントを解説している。実例も6社ほど紹介していて参考になる。

 

同書でさんざん指摘しているが、研修転移には上司の理解や協力が何より必要だ。これは本当にそう思う。

上司やトップが無関心であればあるほど、その研修はたいがい失敗に終わる。僕自身も研修を企画・する側の人間として、今まで何度も実感してきた。研修あるあるね。

 

研修転移は、研修前・研修・研修後の3ステージで考えると整理がつきやすい。それぞれのステージにおいて、いかにうまく上司を巻き込むかだ。

研修後のフィードバックも然りだが、部下と上司が一緒に受講する「ペア研修」はなるほどと思った。

ただ一緒に受ければいいというものではない。ペア研修に限らず、事前の「仕掛け」で動機づけるという発想は今まで無かっただけに、新しい気づきだった。

 

 

当所は、今後企業研修に力を入れていきたいと考えているが、悩ましいことがある。

 

企業研修は内製化できるのが一番いいわけで、我々外部講師は所詮外部の人間、どうしてもパッケージ化・商品化された研修(こちら側に都合のよい研修)を提案実践しがちだ。

これは悩ましくもあり、反省・注意すべきことでもある。

 

そして働き方改革によって、今後、企業が研修にあてる時間を減らすという懸念がある。中長期的な観点も大切だが、これからは、より短期間で研修転移が実践される研修が求められるのだろう。

 

 

同書は、残念ながら?当所の悩みまでは解決してくれないが、特に研修に携わる人は一読をお勧めする。


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