同一同一の重要な要素

今月から同一労働同一賃金がスタートした。

と言っても、今世間はコロナ一色で全く話題になっていないが(笑)、重要な法改正だ。

同一同一とは、簡単に言えば、正規と非正規との間で不合理な待遇差を設けてはならない、というもの。

既にパートタイム労働法や労働契約法にその旨規定されていたが、4月から厳格化され、労契法のその部分がパート法に移り名称もパート有期法(略)に変わった。(中小企業は来年度から)

 

 

さて、今月から新賃金制度を導入したクライアントがある。

着手してから実に1年、当然、同一同一を意識した内容になっている。

 

制度導入時、僕は「正社員とパートの違いは何か?」「そもそも御社の正社員とパートの定義は何か?」といった問を投げかけるところから入る。

残念ながら、今まで明確に答えられた人はほとんどいない。明確に答えられないということは、裏を返せば、正社員とパートの仕事や責任等に大きな差がないということ。

 

 

当該クライアントも然り。だから、新賃金制度の賃金体系は必然的に差が過小なものとなった。

とは言え、扶養手当は正社員のみ対象で、賞与は金額差がある。ここは違う。

但しこれは何となく差を設けたものではなく、労使協議を重ねた上でそのような結論にいたった。

「労使協議をいかに丁寧に重ねたか」は、同一同一では重要になるだろう。

 

賃金規程は、その「主旨・目的」を明記した。

例えば「扶養手当は、正社員は家族を扶養することが多く、そのための補填という主旨・目的で支給する」「賞与は、会社貢献度(会社が求めるシフト対応ができること)に対する報酬という主旨・目的で支給する」といった具合だ。

同一同一は、それぞれの賃金の主旨・目的を鑑み、3つの要素(①業務内容・責任 ②異動内容 ③その他)の中から適したものを選び不合理性を判断するため、こういった規定は効果的だと思う。

 

「労使協議」「同一同一を意識した規定」。

これらは忘れがちだが、同一同一を実行する上で重要な要素になるのではないだろうか。


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