毎年年初にやることがある。

それは書初めと今後の改正労働法スケジュールの資料作り。
年初めのクライアント訪問では、その資料を基に今後の労働法の流れを説明するようにしている。全体像を把握してもらい、今後の経営判断に役立ててもらうためだ。木を見て森を見ずではいけない。
今後の主な改正は、
・カスハラ防止法(労働施策総合推進法)施行
・ストレスチェック義務化
・フリーランスの労災報告制度や安全衛生教育
・育成就労制度
・厚生年金の適用拡大
・雇用保険の適用拡大
・同一労働同一賃金ガイドライン見直し
・労基法改正 など
どれも実務上、影響を受けるものばかりだ。
例えばカスハラ防止法(事業主の措置義務)は、既に大企業や接客業の店等では取り組み始めているが、これが全事業所が対象になる。これで4つ目のハラスメント措置義務だ。法でハラスメント対応しなくてはいけないとは、ホント嫌な世の中になったもんだとつくづく思う。
厚生年金の適用拡大は、今後10年をかけて全事業所に広がっていくが、それに伴い雇用保険も2年後に週10時間以上に適用拡大される。企業にとっては人件費増は必至だ。
同一同一ガイドラインは、賃金制度の見直しを迫られる企業が多いだろう。
例えば、今後家族手当や住宅手当は正規と非正規の待遇差は認められにくくなり、退職金は場合により非正規にも払うことが求められる。そもそも政府は当ガイドラインの冒頭で、この社会から非正規をなくすと断言している。ガイドラインの内容は遵守義務はないが、今まで蓄積されてきた裁判例を根拠とするため無視することはできない。
今や同一同一を知らずして賃金制度設計はできない。
労基法改正案については、高市首相からの時期尚早の一声で、厚労省は今年の通常国会への提出を見送った。内容を見る限り、副業の通算時間ルールの見直しなど企業にとってはありがたい反面、勤務間インターバルの義務化や繋がらない権利の確立、連続勤務上限13日など、労働者の健康確保増進という面も垣間見える。
書初めと改正労働法スケジュール、今や年初に欠かせないルーチンワークになっている。
