空気の支配

新型コロナの感染拡大が深刻だ。

取り急ぎ当所としては、主に次についてクライアントへ情報提供・説明したところだ。

①感染防止のための社内通知サンプルの提供

②就業制限と休業手当の説明

③傷病手当金や有休の説明

④雇用調整助成金の案内

 

一昨日、政府が④の拡充やパート(雇用保険に加入していない人)への休業補償を目的とする助成金創設に言及したことで、今後特に④についての対応が予想される。

また来月は、クライアント訪問をテレビ会議アプリを使ったテレワークにしようかと思案中だ。

 

超お気に入りのボドゲ「パンデミック・イベリア」では、政治家は大活躍するというのに…
超お気に入りのボドゲ「パンデミック・イベリア」では、政治家は大活躍するというのに…

今回の一連の政府の対応は、楽観主義の後手後手に+論拠なしの急展開と、全くお粗末としか言いようがない。

逃亡中のカルロス・ゴーンが言い放った「日本人はのろま」は、残念ながら認めざるを得ない。

 

僕は仕事柄か、こういったクライシス発生時におけるリーダーシップや組織運営、はたまた行動心理学といったものについ興味がわいてしまう。

そこで、以前も当ブログで紹介した名著「失敗の本質」を読み返してみた。そこには、組織における「空気の支配」についてこんなことが書かれている。

・合理的な議論を行わず、問題の全体像を1つの正論から染め上げてしまう

・都合の悪い情報を封殺して無視する

・希望的観測に心理的に依存していく

・安全性や採算性より、関係性を配慮するグループシンクに陥る

 

今回の失態で言えば、こんな心理が働いている気がしてならない。

・クルーズ船での後手後手な対応→早く収束するかもしれず、しばらくは静観していよう

・PCR検査を積極的に実施しない→実施すれば感染者数が増え、株価や東京五輪への悪影響が出る

・急な小中高一斉臨時休業の発表→今後の政権への悪影響や後手後手だという批判をかわしたい

 

 

一方、新型コロナの出現は「未知との遭遇」であり、そもそも人間は神でも何でもないわけだから、そんなに期待してもいけないのかもしれない。

メディア等で、ごもっともと思う論調で意見する医療関係者やコメンテーターでさえ、いったん組織に入れば、空気の支配にやられてしまうのかもしれない。


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