同一同一調査

先日、クライアント先で同一労働同一賃金に係る労働局調査があり、それに同席した。

前段の流れを簡単に説明すると、昨年4月に同一同一に係る法改正があり、労働契約法上の有期契約労働者に係る同一同一規定がパートタイム労働法に移管した。(それに伴い、パートタイム労働法も「パート有期法」に名称が変わった)

それにより、行政(労働局)は有期契約労働者についても同一同一調査・指導等ができるようになった、というわけ。(派遣の同一同一は派遣法に規定されているため、これで同一同一上の非正規3者(パート・有期・派遣)全てを行政で調査・指導等できるようになった)

 

調査日の一カ月前くらいに、労働局からクライアント先へ通知があり、クライアントと事前打ち合わせを行ったのだが(送られてきたアンケートへの記載と就業規則等の確認)、昨年秋頃に同一同一を意識して就業規則と賃金規程を見直ししていたから、特段大きな問題はない。

とは言え同一同一の調査は初であり、不安材料もなくはなかったため、反証できるよう準備をして当日臨んだ。

 

 

調査は事前のアンケートに添って、質疑応答しながら進んでいった。ちなみに調査官とは初対面だったが、何故か僕の名前は聞いたこと・見たことがある、とのことだった。(「ブラックリスト」にでも載っているのだろうか…)

調査項目は、パート有期法第8条がメインになるわけだが、賃金については、基本給と賞与、職務関連の手当1つ、通勤手当の4つが対象だった。

後は教育訓練、福利厚生、非正規への説明、正社員転換、相談体制、就業規則手続等が調査項目。

やはり行政、全てパート有期法どおりの内容であった。

 

労働局の指摘で、特に印象に残ったことは次の3点。(カッコ内はそのときの僕の心の声)

・賞与について、パートであっても一定の貢献に応じて払うよう努める義務がある

 (確かに行政解釈としてはそうなるのだろうけど、ま、賞与の決定要素は複合的だからね…)

・非正規との契約時に「正社員と不合理な待遇差をつけていないこと」「正社員転換があること」の説明をすること

 (んっ、これは少々顧問として認識が甘かったな。でも、雇入れ時は労働条件通知書や就業規則を見せてはいるぞ)

・短時間有期雇用管理者の選任という努力義務がある(正直)

 (ふ~ん、それは全く知らなかった)

 

結果、特段指導や是正勧告されるようなことはなく、調査は無事終了した。

前述のとおり、昨年就業規則と賃金規程について、同一同一を意識して見直したのが何と言っても大きかった。賃金の不合理な格差をなくすための議論はもちろん、「社員区分(社員定義)」についてもとことん議論したらからね。


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