◆人材マネジメント

Vol.40 欲しい人材を見極める!~採用面接のコツ①

 

さて最近では、採用面接の場にもAIの活用が進んできているようです。大企業ならまだ

しも、エントリーがなかなか集まらない中小企業にはまだまだ無用、といったところでし

ょうか。

そんな中小企業では、迷った挙句に採用してしまい、結果後悔する例もあります(稀に逆

の例もありますが)。私も前職では人事で面接官をやっていましたので、採用面接(人間

?)の難しさを痛いほど分かっているつもりです。

そこで今回はその時の経験も踏まえつつ、採用面接についてのコツをお伝えしたいと思い

ます。

 

①求める人材像を明確にする

 

まずは、自社が求める人材像を明確にするところから全てが始まります。

求める人材像が複数ある場合は、優先順位をつけておくことも大切です。いざ採用するか

否か迷ったときに、合理的・客観的な判断ができます。

 

また、求める人材像を具体化することをお勧めします。

例えば「コミュニケーション能力が高い人」を求める企業は多いですが、コミュニケーシ

ョン能力と一口に言っても、思い描くものは人によって微妙に違ったりします。自社(の

職場や仕事)において求めるコミュニケーション能力とは一体何なのかを、別の言い方で

落とし込んでおくといいです。

特に面接官と現場のギャップを防止することに役立ちます。

 

②具体的なエピソードを掘り下げて聞く

 

人は印象で判断しがちです。もちろん印象も大切な要素ですが、印象ばかりに気を取られ

て大切なものを見過ごす危険もあります。

印象だけで判断しないためには、具体的なエピソードを聞くことが大切です。

 

例えば「今までの仕事でどんな困難な出来事があったか。それをどう乗り越えたか」とい

う質問ってよくありますよね。

これについても、表面的なやりとりで終わるのではなく、極力掘り下げて聞きます。

その際、「5W1H」を意識するといいです。「いつ・どこで・誰と・どんな方法で、そ

の困難な出来事を乗り越えたのか」ということを引き出すわけです。

 

③成果は「きっかけ」「プロセス」「学んだこと」を聞く

 

例えば面接で、前職での実績や成果について聞くことがあると思いますが、どうしても結

果だけを聞いてそれで終わりになりがちです。職務経歴書も同様で、結果だけが記載され

ていることが多いものです。

 

でも、たまたま偶然に良い結果になっただけかもしれませんよね。単に結果を聞く・見る

だけでは、それを見抜くことはできません。

そこで大切になるのが、「きっかけ」「プロセス」「学んだこと」の3つを聞くことです。

これらを聞くことで、自主性(言われてやるタイプなのか、言われなくてもやるタイプな

のか)や行動力、やる気や自己実現欲などが初めて分かります。

 

④ストレス耐性は、ストレスを逃がす力を聞く

 

いま企業が求める人材像の中で増えているのが、「ストレス耐性」です。ストレスに負け

ないタフなメンタルをもつ人材です。

但し注意しなくてはいけないのが、誰にでもストレスを抱え込む限界があるということで

す。

例えば、ストレスをためる「バケツ」があるとします。バケツの大きさは人それぞれ違い

ますが、ストレスがたまりバケツから溢れるとまずいわけで、大事なことは、いかにバケ

ツにたまったストレスを溢れさすことなく、外に「逃がす」かです。

 

ですので、面接では例えば次のようなことを聞き、ストレスを逃がす力・能力を測るとよ

いです。

・どんなときにストレスを感じるか

・壁を乗り越えてきた経験があるか

・仕事をする上でのモチベーションの源となるものがあるか

・ストレスを感じたときの対処法は何か

・趣味や休みの日は何をしているか

 

 

では今回のまとめです。

 

採用面接でのコツは、

・最初に求める人材像を明確にする

・具体的なエピソードを深掘りして聞き、印象だけで決めてしまうことのリスクを減らす

・成果は「きっかけ」「プロセス」「学んだこと」を聞くことで、初めて自主性や自己実

 現欲が分かる

・ストレス耐性を判断する場合は、「ストレスを逃がす力」を聞く

 


Vol.39 離職率4.8%の秘密~なすびの心をベースにした人的経営とは

 

つい先日、(株)なすびの経営者、藤田圭亮氏の講演を聴く機会がありました。

静岡市内在住の方はご存知の方も多いかと思いますが、同社は市内中心にさまざまな飲食

店を展開されています。先代が創業された当初は、しばらく債務超過が続いたようですが、

今の藤田社長に変わり積極的に店舗展開を図られ、現在、業績は堅調に推移されています。

 

今回は、そんな同社の人的経営の極意についてご紹介したいと思います。

・目標は全て数値化している。例えばES(従業員満足度)は離職率で毎年測っている。

・平成28年の離職率は4.8%。(ちなみに飲食業界全体では31.5%、全業種で15

.5%)

・経営理念である「なすびフィロソフィー」は、社員や役員が中心になって作成した。

・月1回、フィロソフィーミーティングを開催している。

・社員間で、良い仕事をした人に対して「グッドジョブカード」を渡している。

・グッドジョブカードをたくさん(もらった人でなく)渡した人を毎年表彰している。

・年2回「ビジョンシート」にて評価し、年4回、役員は全社員と一人ずつ面談を実施し

ている。

・経営数字(バランスシート)は、毎月社員へ全て公開し説明している。

・給与日は、社長自らが社員一人ひとりに明細と社内報を手渡し、言葉をかけている。

 (社員数が多いため、実際は2日間かかるとのこと)

・社長の手帳には全社員の誕生日が記載されていて、社員の誕生日に、社長の直筆の手紙

と商品券をプレゼントしている。

・家族参観日という日があり、社員が初めて作った料理を両親に食べてもらったり、子ど

もが職場見学できる機会を提供している。

・社長と社員の時間の共有を主な目的に、海外視察研修を実施している。当該研修は日当

を出している。

・来年から外国人材の採用を始める予定で、まずベトナム人2名を採用する。

・今後、積極的にシニア層の活用も考えている。 

・「心をベースにした経営」を重視している。などなど

 

同社の業績好調の裏には、社員の満足度を上げるための様々な工夫や仕組みがあることが

分かります。そしてその根幹には、社員一人ひとりの心に目を向け思いやるといった「心

をベースにした経営」があります。

その結果、業界内でも驚異的な4.8%という低い離職率に現れているわけです。


Vol.38 いい会社とは何か?「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」から考えてみる

 

皆さんは「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」という賞をご存知でしょうか。 

社員を大切にし、業績も伸びていて離職率も低い、そんな「いい会社」を毎年表彰すると

いう賞です。

つい先日、この賞の発起人である法政大学の坂本光司先生の講演を聴きに行きました。

今回はこの賞の審査基準や先生の言葉を通じて、いい会社とは何か考えてみたいと思いま

す。

 

この賞の応募基準は、過去5年間以上、次の5つを全て満たす企業です。 

①リストラをしていない

②仕入先等にコストダウンをしていない

③重大な労災事故を発生させていない

④障害者雇用は法定以上である

⑤営業黒字である

 

応募基準を満たせば次に一次審査に移ります。一次審査基準は全部で50個あり、1つ2 

点で合計100点満点です。 

坂本先生は、今まで国内外合わせて8000もの会社を見てきた中で、いい会社と言える

のは10社に1社ということです。そのいい会社に共通するものが、そのまま審査基準と

なっています。

逆に言えば、この基準を満たせば満たすほど、いい会社だということです。

 

ではその一次審査基準のうち、一部をご紹介します。 

・正社員の転職的離職率は3%以下

・1ヵ月の残業時間は一人10時間以下

・有休取得率は70%以上

・毎月、決算内容を全社員へ公開

・全社員に占める派遣社員の割合は10%以下

・育休取得率は80%以上

・定年は66歳以上

・体系的な社員育成制度がある

・独自の福利厚生制度がある

・社員やその家族のメモリアルデイにお祝いをする

・代金の決済は100%現金払い

・代金の締め後の支払いは20日以内

・過去2~3年、新規顧客は増加している

・毎年、社員意識調査を実施

・障害者の雇用率は2.5%以上

・障害者の50%以上は正社員

・障害者施設から商品やサービスの購入をしている

・非正規社員の賃金を毎年アップ

・本業以外の社会貢献活動を2つ以上実施

・経営計画書は毎年全社員で策定し、発表会を開催

・自己資本比率は50%以上

・売上高営業利益率は3%以上

・教育訓練や研究開発など未来経費に売上高の1%以上投資

・後継者がいる などなど

 

どれもなかなかハードルが高い印象ですが、全てを満たす必要はありません。 

受賞企業は最低でも50点以上になるとのことですから、最低限2つに1つ基準を満たせ

ばいい会社と言えるかもしれません。

 

私は坂本先生の講演をもう何回も受講していますが、その考え方や言葉は毎回終始一貫さ 

れています。例えば次のようなものです。

・会社の目的は、会社に関わる人全てを幸せにすることである

・仕入先や関係取引先は「社外社員」であり、社外社員の幸せも考えなければならない

・例えば利益率が50%もあるような会社はいい会社とは言えず、その利益を社員などへ

還元すべきである

・障害者を直接雇用することが難しければ、「間接雇用」(障害者施設から商品やサービ

スを購入)という方法がある

・社員の働きがいとは次の5つ。例え①が難しくても、②~④はどんな会社や業種でもで

きることであり、社員のモチベーションを上げることは可能である。

 ①やりがいのある仕事 

 ②会社の魅力

 ③いい仲間がいる

 ④いい上司や経営者がいる

 ⑤いい家庭がある 

・いい会社の経営者に共通することは、今までたくさんの涙を流してきたこと

 

いい会社とは何か?参考にしてみてください。 

(坂本先生は「日本でいちばん大切にしたい会社」など多くの書籍を出されていますので、

興味のある方はそちらをご覧ください)


Vol.37 ドラッカーから読み解くコミュニケーション術

 

普段、仕事でクライアントを回って話をしていると、相変わらず職場の人間関係やメ

ンタルヘルスの問題に悩む経営者や上司が多いなと感じます。これらの問題の背景には、

大抵コミュニケーション不足があります。

そこで今回は、ご存知「経営学の父」ことピーター・F・ドラッカーのコミュニケーショ

ンにまつわる言葉をいくつかピックアップし、コミュニケーションのポイントを考えてみ

たいと思います。

 

ドラッカーは、コミュニケーションとは「知覚であり」「期待であり」「要求であり」

「情報ではない」と「コミュニケーションの四原則」の重要性を語っています。

ではまずこの四原則にそって、コミュニケーションのポイントをみていきましょう。

 

ドラッカーは「コミュニケーションを成立させるのは、受け手である」と言っています。

相手に何か伝える場合、往々にして自分の表現で自分の言いたいことだけを言いがちです

が、常に相手に理解される表現方法を使って、相手が理解しているかに注意する必要があ

ります。

 

ドラッカーは「我々は期待しているものだけを知覚する。期待していないものは受け付け

られることさえない。無視されるか、間違って見られたり聞かれたりする」と言っていま

す。

相手に何か伝える場合、「相手は何を期待しているか」を的確に把握し、それを的確に伝

えるよう心掛ける必要があります。

また相手に何か要求する場合は、それが相手の価値観や欲求、目的に合致していなければ、

ただの強制になり抵抗が生まれることになるため注意が必要です。

 

ドラッカーは「コミュニケーションは情報ではない。情報に人間はいない。思想、意見、

情報を伝達し合い、心を通じ合わせるプロセスである」と言っています。

相手に情報を伝える場合、単に情報だけ伝えればよいという考え方や手段(メールやSN

S等だけで伝え、それでよしとする等)はとらないよう注意が必要です。

相手から情報を聴く場合は、情報だけに関心を向けるのではなく、相手の内面にも十分な

注意を払うことも重要です。

 

 

またドラッカーは「情報が多くなるほど、機能的かつ効果的なコミュニケーションが必要

になる。つまり、情報が多くなればコミュニケーションギャップは、縮小するどころかむ

しろ拡大しやすくなる」と言っています。

 

仕事で、メールやSNS等を使って情報伝達する人は増えているかと思いますが、発信者

の意図することや微妙なニュアンスが相手にうまく伝わっていなく、仕事に支障をきたし

た経験はないでしょうか。

或いは、相手から一方的に、大量の情報や的外れの情報を送られてきて困った経験がある

人もいるかもしれませんね。

情報伝達においてメールやSNS等のツールは上手く利用するとしても、それ故にコミュ

ニケーションギャップも生まれやすいことに注意が必要です。

 

 

まとめです。

・コミュニケーションは、相手が期待することを把握した上で、相手が理解できるよう伝

えることが大切。

・コミュニケーションは、ただ情報を伝えるだけではなく、相手の内面も気遣うことが大

切。

・メールやSNS等を活用する場合は、コミュニケーションギャップが生まれやすいため

注意する。


Vol.36 就活成功のカギは、幼少期からの父親との会話にあった!

 

某民間企業の調査によると、来春卒業予定の四大学生の8月1日時点における内定率(内々定含む)は、既に8割を超えたそうです。 

人手不足もあって、新卒採用はますます「早い者勝ち」の様相です。経団連が唱える新卒採用に関する倫理憲章は、空論になりつつあります。

 

但し、この超売り手市場の時代においても、内定を取れる学生と取れない学生がいます。その違いは一体何なのでしょうか。 

今回は、そんな疑問を解き明かそうと、ある経営コンサルタントが実施した学生へのアンケート結果を一部ご紹介します。特に社会人デビュー前のお子さんをもつ方は、参考になるかもしれません。

 

 

まずは、学生の家族関係についての調査結果です。(「内定3」とは内定を3つ以上獲得した学生、「内定0」とは内定が0だった学生のことを指します)

 

・小中高生の頃、母親とよく話をしたか? 

内定3…「よく話した」49% 「普通に話した」42% 「あまり話さなかった」8

内定0…「よく話した」44% 「普通に話した」43% 「あまり話さなかった」13%

 

・小中高生の頃、父親とよく話をしたか? 

内定3…「よく話した」22% 「普通に話した」50% 「あまり話さなかった」17%

内定0…「よく話した」20% 「普通に話した」39% 「あまり話さなかった」29%

 

・小中高生の頃、祖父母と仲が良かったか?

内定3…「仲が良かった」68% 「あまり行き来がなかった」23%

内定0…「仲が良かった」52% 「あまり行き来がなかった」36%

 

・小中学生の頃、家族旅行に行ったか?

内定3…「よく行った」35% 「たまに行った」48% 「あまり行かなかった」12%

内定0…「よく行った」32% 「たまに行った」39% 「あまり行かなかった」24%

 

幼少期から、両親(特に父親)とよく話をした学生や祖父母と仲が良かった学生の方が、内定を獲得する割合が高いという結果が出ています。

更に、幼少期によく家族旅行に行った学生の方が内定を獲得しています。

面接では、学生は自分の両親や祖父母と同世代くらいの面接官と話をすることが多くなるでしょうから、普段から両親や祖父母と会話やコミュニケーションをとっていた方が、うまく話ができるというのは当然と言えば当然でしょうか。

 

 

次に、小学生の頃の習い事の調査結果です。

・小学生の頃、習い事をしていたか?

内定3…「野球」13% 「サッカー」21% ピアノ「42%」 習字「42%」 「していない」13%

内定0…「野球」3% 「サッカー」8% ピアノ「42%」 習字「39%」 「していない」15%

 

やはり団体スポーツをしていた学生の方が、いろいろとアドバンテージがありそうです。仕事や組織はチームプレーが大切ですからね。

 

 

ほかにも、人前で話をするのが好きな学生やクラス委員に積極的に参加した学生、ファッションに興味がある学生ほど内定を得やすいという結果が出ています。

一方で、母親が専業主婦の学生や自営業でなくサラリーマン家庭で育った学生、自身が第二子である学生ほど内定が得にくいという結果が出ています。

 

参考にしてみて下さい。

 

 

まとめです。

就活を成功させるためには…

・幼少期から家族でのコミュニケーションをよくとる。

・幼少期から特に父親との会話を増やす。

・幼少期から団体スポーツをやらせる。


Vol.35 求人は「ママさんバレーの法則」でうまくいく

 

先日、採用に関するセミナーを受けてきました。 

人材が思うように集まらないと苦労されている企業も多いかと思いますが、セミナーでは 

採用に役立ちそうな興味深い話が聴けましたので、それをご紹介したいと思います。

 

リクルート社は、採用戦略をたてるにあたり「ママさんバレーの法則」を参考にしている 

そうです。 

女性がママさんバレーに入団する場合、その動機は大きく4つに分かれます。これがママ 

さんバレーの法則です。

①組織重視型 どうせやるなら強いチームでやりたいというタイプ

②仕事重視型 とにかくバレーボールがやりたいというタイプ(バレーができればどの団体

でも構わない)

③職場重視型 「とにかく体を動かしたい」とか、「あの人と一緒にやりたい」など特にバ

レーボールでなくてもいいタイプ

④生活重視型 チームに入ると何か特典があるなど利害を重視するタイプ

 

これをそのまま「人の会社選び」に当てはめると、人は次の4つのタイプに分かれます。 

①組織重視型 理念や組織、或いは会社そのものを重視するタイプ

②仕事重視型 仕事そのものを重視するタイプ

③職場重視型 仲間や友情を重視するタイプ

④生活重視型 お金やワークライフバランスを重視するタイプ

 

 

さて、ここからが肝心なのですが、効果的な求人には次の2つが重要です。 

・ターゲティング

・キャッチコピー

 

ターゲティングとは、「誰でもいい」という求人ではなく、「こういう人に求人を読んで 

もらいたい(来てもらいたい)」と、求職者のターゲットを絞ることです。

ここで、上の4つのタイプを参考にしてみて下さい。御社なら、どのタイプにターゲット

を絞りますか?(どれが良いとか悪いとかはありません)

 

ターゲティングができたら、次はそのターゲットとする人が興味を引くようなキャッチコ 

ピーを考えることが重要です。

例えばこんな感じになります。

①組織重視型 「安心して定年まで働ける、古き良き会社です」

②仕事重視型 「○○の仕上がりは○○で大きく変わる。職人技がものをいう仕事」

③職場重視型 「職場の先輩がみな教育担当。新人さん、ご安心を」

④生活重視型 「家庭で晩ご飯、子供と風呂、夫婦水入らず。当たり前の幸せがあります」

 

参考にしてみて下さい。

  

まとめです。 

・効果的な求人にするには、ターゲティングとキャッチコピーが重要。

・ターゲティングは「ママさんバレーの法則」を参考に、4つのタイプから絞る。

・キャッチコピーは、ターゲットとする人に訴求する魅力的なものにする。


Vol.34 ジョハリの窓~自己分析し人間関係を円滑にする

 

前回、コミュニケーションを深めるためのワークショップをご紹介しました。

今回はそれを受けて、職場の人間関係を円滑にするための自己分析・コミュニケーション

理論「ジョハリの窓」をご紹介します。

 

ジョハリの窓は結構有名ですので、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、簡単にご

紹介します。

 

人の心には、「4つの窓」があります。

①開放の窓…自分も他人も知っている自分

②盲点の窓…自分は気づいていないが、他人が知っている自分

③秘密の窓…自分は知っているが、他人に隠している自分

④未知の窓…自分も他人も気づいていない自分

 

このジョハリの窓では、①の窓を大きくすることの重要性を説いています。

①の窓が大きくなればなるほど、親近感や信頼感が増して人間関係がスムーズになり仕事

にも良い影響を与えます。

前回ご紹介したようにコミュニケーションを積極的に取ることによって、この①の窓が大

きくなることが期待できます。

 

更に②や③の窓を小さくすること(それは同時に①の窓が大きくなること)の重要性も説

いています。

②の窓ですが、誰しも自分では気づいていないけれども、他人から見える欠点というもの

が多かれ少なかれあります。

②の窓を小さくするには、何と言っても自分の欠点を人に聞くことですが、これはなかな

かハードルが高いかもしれません。人に聞く勇気が無い場合は、自己分析し客観的に自分

を見てみることが大切です。

③の窓ですが、この窓を大きくするには、オープンな心で積極的に自分のことを人に知っ

てもらうことが大切です。

 

職場の人間関係や上司・部下との人間関係がうまくいっていない場合、皆さんはどうしま

すか?

相手が変わってくれることを期待したり、相手のせいにしていたのでは、なかなか良い解

決には至りません。

そんなとき、このジョハリの窓を参考にして、自分自身を客観的に分析し、その上で自ら

の言動をまず変えてみてはいかがでしょうか。うまくいくかもしれませんよ。

 

 

まとめです。

・ジョハリの窓とは、人間関係をより良いものにするための自己分析かつコミュニケーシ

ョン理論。自分自身を客観的に分析し、その上で自らの言動を変えてみる。

・開放の窓(自分も他人も知っている自分)を大きくすることで、より人間関係がスムー

ズになる。

・盲点の窓(自分は気づいていないが、他人が知っている自分)や秘密の窓(自分は知っ

ているが、他人に隠している自分)を小さくすることで、開放の窓が大きくなる。


Vol.33 出会いの季節~相手を知るためのコミュニケーション・ワークショップ

 

いよいよ新年度になりました。

この時期は、1年で最も人の出入りが激しい時期です。

皆さんの会社にも中途・新卒問わず、新しい方が入社されたかもしれません。

 

そこで今回は、そんな新たな出会いが多いこの時期にこそやると効果的な、気軽にできる

コミュニケーション・ワークショップをご紹介します。

 

 

まず最初にご紹介するのが「誉め言葉ワークショップ」です。

 

誰でも人から褒められると嬉しいものですが、言われて嬉しい言葉や褒めて欲しいと思う

ポイントは、実は人によって微妙に違ったりします。

このワークショップは、そんなお互いの「褒めポイント」を知ることがでます。

 

1まず何名かのグループに分かれます。 

 人数は何名でもいいですが、3~4人くらいがいいかもしれません。 

2次に、各自に紙を配布します。 

 紙には、各グループのメンバーの名前と「言われて嬉しい誉め言葉」が書けるよう、予め

簡単な表を入れておきます。 

3次に、自分が言われて嬉しい誉め言葉を3つ書き出します。

例えば「魅力的」「尊敬しています」「頭がいい」などなんでもいいです。もちろん、

「ありがとう」でもOKです。

4次に、グループ内の他のメンバーそれぞれについて、言われて嬉しいだろうと思う誉め

言葉を予想して3つ書きます。(お互いが全く初対面の場合は不要)

5書き終えたらお互いに紙を見せ合い、順番に自分の言われて嬉しい誉め言葉について説

明します。

 

 

次に「他者紹介ワークショップ」をご紹介します。

 

この時期は何かと自己紹介をする機会が増えますが、そんなときにこのワークショップを

利用すれば、お互いをもっと知ることができ、お互いの距離がぐっと近づきます。

 

1まず2人1組のペアになります。 

 例えば同じ職場の上司と部下のように、普段の業務で関係性がある人同士の方が効果的 

 です。 

2次に、各自に紙を配布します。

 紙には、予め自己紹介をするための項目(名前・出身・趣味・特技・マイブーム・好き

 な芸能人・将来の夢など)と、各項目について記入できるよう簡単な表を入れておきま

す。 

3次に、各ペアにおいてインタビューする人と答える人に分かれます。インタビューする

人は、自己紹介の項目にそって答える人にインタビューしながら、表を埋めていきます。

4一通り表が埋まったら、役割を逆にして同じ要領で行います。

5次に、各ペアが順に全参加者の前で、お互いを紹介し合います。決して自分で自己紹介

するのではなく、ペアの相手が自分の紹介をする形になります。

 これを全てのペアが行います。

 

今回ご紹介したワークショップは、時間と場所さえ確保できれば簡単にできます。 

コミュニケーションを円滑にするための方法として、参考にしてみて下さい。

※ちなみに「誉め言葉ワークショップ」ですが、当所では紙でなく「誉め言葉トランプ」

を使って、より楽しく効果的に行う社員研修として、ご提案・実施することも可能です。

 

 

まとめです。 

・春は新しい出会いの季節。まずは、お互いのことをよく知ることから始める。

・ワークショップを活用してみると効果的。

・誉められて嬉しいポイントは人それぞれ。それを知って、コミュニケーションや部下育

成に活かす。


Vol.32 LGBTと企業対応

 

最近、「LGBT」という言葉をよく見聞きするようになってきました。

LGBTとはレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーのそれぞれ頭文

字を取った言い方で、性的マイノリティーの人々を総称した言い方です。

 

日本におけるLGBTは、人口の5%とも8%とも言われています。実に1320人中に

1人はLGBTということになります。

但し、日本ではまだまだLGBTへの理解が乏しく、そのような人々がカミングアウトで

きる環境が整備されているまでにはいたっていません。

 

一方、人材や働き方の多様化により、大企業中心にそのような人々に対する支援を打ち

出し始めたところもあります。

人材不足対策の一環としてLGBT向けの募集を出したところ、人材が確保できたある中

小企業(運送業)の例も知っています。

 

そこで今回は、そもそもLGBTとは何か、企業としてそのような人材を活用する場合、

まず何から着手すべきかという基本的なところを解説したいと思います。

 

 

ではそもそもLGBTとは、どのような人々を指すものなのでしょうか。

 

L…レズビアン 

同性愛の女性。自分は女性、心惹かれるのも女性。

 

G…ゲイ 

同性愛の男性。自分は男性、心惹かれるのも男性。

 

B…バイセクシュアル 

両性愛の男女。どちらの性にも心惹かれる、或いは性別は問わない。

  身体の性別に違和感をもったり、誰に心惹かれるかは人それぞれ。

 

T…トランスジェンダー 

  生まれついた性別とは反対の性別に変わりたいと強く願う「性同一性障害」から、

自らを特定の性別に当てはめない「Xジェンダー」まで様々。

 

 

ではそのような人材を活用するにあたり、企業・職場として何をすればよいのでしょう

か。

 

まずは社員向け研修などを通じて、社内の理解者を増やすことが重要です。

ある最近の調査では、LGBTでない人の7割近くが「LGBTという言葉を知らない」「言

葉は知っているが内容は分からない」と回答しています。

 

制度面も重要です。

就業規則などにLGBTについて盛り込んだ差別禁止規定を整えたり、家族手当や結婚祝

い金、慶弔制度などの福利厚生や人事制度を整備し、他の社員と同じように利用できる

仕組みが望まれます。

 

そして、会社としてそのような人々を積極的に対応・支援していくという方針を打ち出

すことです。

その根底には「個人」を大切にするという姿勢が求められます。

 

 

まとめです。

LGBTとは、性的マイノリティーの頭文字を取った総称で、日本にも一定数いる。

・会社としてLGBTの人々を活用しようとする場合、次のことから着手してみる。

・研修などを通じて社員のLGBTへの理解を深める

 ・差別禁止規定を設けたり、LGBTの人々も利用できる福利厚生や人事制度を整備する

 ・会社として、LGBTへの対応・支援についての方針を打ち出す

 


Vol.31 社員を定着させるためにリーダーが押さえておくべき4+1要素

 

最近は、このような人材不足対策に関するセミナーや研修依頼が増えています。

そこで今回は、いかに社員を定着させるかという観点から、経営者やリーダーとして何を

すべきか、大事な要素をご紹介したいと思います。

 

①経営理念

 

社員が定着する「いい会社」は、決まって理念が明確であり、経営者やリーダーがそれを

実現するために絶えず発信・行動し続けています。

そうすることで(時間はかかりますが)、理念に共感した人材が集まり、そして残ります。

そうなれば強い組織になります。

 

 

経営理念とは、言い換えれば「我社は一体何のために存在するのか?」ということです。

そのように問われた場合、御社はすぐに明確に答えられるでしょうか。

そして、それを実現するための行動指針も重要です。

 

 

②コミュニケーション

 

経営者やリーダーは、部下とのコミュニケーションをうまく図る必要があります。言わず

もがなですね。

コミュニケーションに悩まれている方は、例えば次の2つのことを心掛けてみるといいと

思います。今日からでもできることです。

・声掛けする

・定期的に個別面談する

 

声掛けすることは、「部下の一人ひとりに目を向けている」ということです。これからの

部下の人材育成には、欠かせない観点です。

個別面談は、部下の本音を聴き出すことが大きな目的です。その上で、目標設定したり、

その支援をしたり、承認したり。「個別面談をして、初めて社員のことが分かったよ」と

仰る経営者も少なくありません。

 

 

③多様な働き方

 

労働力人口が減っていき、超高齢化社会を迎える中、非正規・女性(主婦やシングルマザ

ー)・シニア・制約社員(介護や育児をしながら働く人)・障害者・外国人労働者など、

多様な人材は増えていきます(そこに人材が眠っています)。

そのような中、多様な人材が安心して働き続けられる職場には自ずと人材が集まり、そし

て残ります。

 

経営者やリーダーは、このような多様な人材が働ける環境や仕組みを考えていく必要があ

ります。

そのための初手として、次のようなことから始めるといいです。

・既存の社員の中で近い将来、制約社員になるような人はいないか確認する

・今の働き方や業務内容をゼロベースで見直す(そもそもこの仕事やサービスは必要なの

か?もっと違う働き方もあっていいのでは?という観点で)

・正規だけでなく非正規にも配慮した人事制度(賃金や評価、キャリアアップの仕組み、

教育制度など)を考える

 

 

④動機づけ

 

経営者やリーダーの役目は、部下のやる気を高めることです。

例えば次のようなことは、一般的に動機づけになります。

・仕事そのもの

・やりがい

・成長感

・目標

・達成感

・有能感

・承認

・昇格

・賃金(但し一時的)

 

 

以上①から④は、それぞれ密接に関係している要素でもあります。

更に社員が定着するための要素として、ここに1つプラスします。

 

 

⑤不満足要因の消去

 

経営者やリーダーは、部下の不満を消去するよう努めることも大切です。

いくら動機づけができていても、一方で不満足要因が大きければ離職に至る可能性があり

ます。

例えば不満足要因には、次のようなものがあります。

・賃金などの労働条件(残業代の未払い・過重労働・休日が少ないなど)

・労働環境(暑い・寒い・汚いなど)

・人間関係

・必要以上の管理

・納得できない評価 など

 

 

まとめです。

・有効求人倍率の高水準や時期的なことも相まって、今は人材が集まりにくい。

・社員を定着させるためには、経営者、リーダーとして

常に理念を追求する。共感する人材が残る。

常に部下のコミュニケーションや動機づけを図る。やる気が高まれば人材は残る。

多様な働き方に対応した仕事のやり方や制度を考える。働きやすい職場に人材は残る。

部下の不満足要因を消去するよう努める。不満が大きくなれば人材は去っていく。